ヨークシャテリアなど(犬の種類による)、室内で飼育されている犬の尻尾を見て、「短いな」と思ったことはありませんか。それとも、尻尾がない姿が当たり前だと思っているでしょうか。
実は、室内で飼育されている犬のおおかたは、尻尾を故意に切り落としているというのです。それはどうしてでしょうか。調べてみます。
犬の断尾について
個体の尻尾を切り落とすことを「断尾」というそうです。
断尾の時期
①生まれて2、3日~1週間
・断尾は、たいてい個体が生まれて間もない頃に、ブリーダー、または獣医師が行っ
ている様です。
・この時期の断尾には、麻酔は使われないそうです。
②それ以降の年齢
・個体が生まれて1週間を過ぎると、色々な感覚が発達し始めるために、獣医師に
より全身麻酔をして、断尾が行われる様です。
断尾の方法
①結紮法(ケッサツホウ)
適度な長さ(残したい長さ)にゴムバンドで締め上げ、血流を止めて脱落させる方法だそうです。
②切断法
適度な長さ(残したい長さ)で切り落とすそうです。
犬の断尾の理由
①断尾の目的(歴史)
・迷信(ヨーロッパ)
狂犬病の予防、ネズミ捕りが有利になる、外敵との闘争時のけが予防などになると
考えられていた
・課税(イギリス)
尻尾のある犬は課税対象:節税の目的で、断尾が習慣になる
②断尾の目的(現在)
医学的な目的
・個体をどの環境(場所)で働かせるかによって、必要に応じて断尾されている様です。
・医学的な観点から断尾を行う場合もあり様です。
※いずれにしても、個体を守る手段として断尾が行われている様です。
(1)猟犬の場合
獲物を追う途中でのけがの心配と、そのあとの感染症の心配があるために、前も
って断尾する
(2)牧羊犬の場合
家畜を追う途中で、牛や羊などに踏まれてけがをする可能性があるために、前も
って断尾する
(3)警備犬の場合
犯人などに尻尾を握られたり、引っ張られたりすることが弱点になると考えられ
たため、前もって断尾する
(4)衛生面
肛門近くにある尻尾が汚れることで不衛生になり、病気になる可能性があるため、前もって断尾する
美容的な目的(理由)
犬には、「理想の体型」という基準がある様です。これを、「犬種標準(ケンシュヒョウジュン):ス
タンダード」と呼ぶ様ですが、この基準は、人間が勝手に決めた基準だということです。
まとめ
ヨークシャテリアの断尾は、生まれて間もない頃にすでに済ませていることが多いため、自宅にお迎えした時には、すでに尻尾は短くなっていることが分かりました。
断尾の多くは「人間が犬を守るための方法」としてでしたが、現在では当てはまらない行為になったという見方が多い様です。ですが、今度は「見栄え=人間から見た美しさや価値」により、行われていることが分かりました。
ただ、医学的な理由を考えた時、確かに室内での飼育では、尻尾があることで不衛生になることは否定できないと思いますが、犬にとっては、犬同士のコミュニケーションに影響するなどの不都合もあるとのこと、複雑な気持ちになりました。